新宿から鬼怒川温泉へ
2022年8月26日
江戸時代は僧や大名達の憩いの場として、明治時代以降は観光地として愛されている温泉街・鬼怒川温泉へと向かった。
高度経済成長期、バブル期には年間300万人もの観光客を集めた記録が残っているが、崩壊後からは徐々に客足が減り、その後もメインバンクの足利銀行の経営破綻、ウエスタン村の無期限休園、世界金融危機、東日本大震災の放射能懸念による観光自粛等の度重なる悲劇により更に右肩下がりとなっていった。
その後、東武や地元自治体の努力により観光客を徐々に回復させていったが、これを2019年より発生した某流行病が、まるで嘲笑うかのように(とまでは言い過ぎだが)再び減少させていった。
そんな、時代の波に流されては抗う逞しくも儚い場所へと私は引き込まれていった。
ここまで旅費を渋らなかったことは初めてであった。
スペーシアきぬがわ
2006年くらいから東武とJRが直通運転をし、新宿駅から鬼怒川温泉駅を結ぶ特急列車が誕生した。
何度も何度も駅で見てきた『スペーシア』という文字。これに乗る日が遂に来たのかと、私は期待に胸を大きく膨らませていた。
そういえば、昔は「特急なのにlimited? 制限するの? 速度を? 逆じゃね?」と思っていたが、制限するのは客の数のことだそうだ。
『乗せるのは特急券を買う客だけに制限する』といったようなことらしい。
鬼怒川温泉駅
12時50分頃に到着。
平日とはいえ8月の金曜日。
思ったよりも人は乗っていたようで、国鉄時代(東武なので関係はないが)を想起させるような駅名標や、スペーシアを撮影する者は多かった。
駅から外に出ると、真正面に鬼怒川温泉のマスコットキャラクターの鬼怒太の像がコチラを睨んでくる……と思ったら上の方を見ていた。
ファミリーが記念撮影していたので、鬼怒太は撮らなかった。
廃墟群へ
鬼怒川温泉駅を下車し、鬼怒川公園駅方面へと線路に隣接する道路を北上することで、ホテルの廃墟群を目の当たりにすることが出来る。
というか、真横を横切る。
(9月17日追記)
大滝駅跡を撮影し忘れる凡ミス。
どう見ても不思議な段差があるから皆はすぐに気が付くと思う。
撮影は任せた。
閑話
滝見橋を超えた先で偶然見つけたロープウェイに乗ることにした。
何故なら、上に社があるとのことだから。
本来なら目的になるべき話
廃墟探索と寄り道が一段落したため、私は都合良く減ってきた腹を満たすべく鬼怒川温泉駅へと戻ってきた。
時刻は15時を回っていたため、昼食としては遅かったが。
「食べてしまえば味わっている幸福の時間が終わってしまう。しかし、美味いので箸は止まらない。食べたいのに食べ終えてしまいたくない」
という矛盾の極に頭を支配されながら、舌鼓ひたすらに打ちまくり腹を満たした。満たされすぎた。
そして「折角此処まで来たし温泉に入ってから帰ろう!」と心に決めた。
が、8月なんて繁忙期にホテルの日帰り入浴を利用できる筈もなく、私は公共施設の「鬼怒川公園岩風呂」へと足を運んだ。
ん? 鬼怒川公園……?
そう。さっき滝見橋に行くために素通りした場所だ。
つまり、行って戻った道をもう一度戻ることになったのだ。
「面倒くせぇ」と思いつつも、良い感じに汗をかけるとポジティブに捉えた。
再会の廃墟群
行って、戻って、また行って、戻ってきたときに撮った写真達。
旅の果て
ひとっ風呂浴びてまたまた鬼怒川温泉駅へ舞い戻ってきた。
今日だけで駅から岩風呂までの地元住民の一日平均往復回数を超えたのではないだろうか?
というか、看板では鬼怒川温泉駅から鬼怒川公園駅まで徒歩で行かせようとするくせに、通らされる場所が思いっきり車道なんだよね。白線の内側もクソもない。
また、大抵の人間が鬼怒川温泉のホテルに泊まるためか、駅前は実質貸し切り状態であった。
有難う鬼怒川温泉。
次に来るときは必ず何処かに宿泊します。
参考文献etc.
鬼怒川温泉wikipedia:
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%AC%BC%E6%80%92%E5%B7%9D%E6%B8%A9%E6%B3%89
日光旅ナビ:
http://www.nikko-kankou.org/spot/51/
鬼怒川ロープウェイ:
http://www.nikko-kankou.org/s/spot/22/
鬼怒川公園岩風呂:
https://www.city.nikko.lg.jp/hujiharakankou/kankou/kinugawa/onsen/kinu_iwaburo.html
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